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サイエンス誌に論文発表:鳥類絶滅による生物多様性の世界的損失を定量

弊社代表取締役CEOの久保田(琉球大学・教授)が、弊社が所有する生物多様性ビッグデータを用いた国際共同研究として「鳥類絶滅による生物多様性の世界的損失を定量した論文」をサイエンス誌に発表しました

https://www.science.org/doi/full/10.1126/science.adk7898

論文の概要

私たち人類の影響により、地球上の生物多様性は大幅に減少しました。しかし、生物多様性の特徴を表す代表的な指標である「種多様性」以外の側面における、人間による絶滅のインパクトについては、私たちは、ほとんど理解していません。「ある空間(例えば島)に何種類の生物が分布しているのか?」を定量する種多様性は、生物多様性の特徴量を把握しやすい指標ではあるものの、種の進化的な履歴(系統)や、種の生態学的役割や機能、そして系統や機能の損失がどのように生態系に影響を及ぼすかについて、種多様性指標は十分に語ってくれません。

今回、サイエンス誌に発表した論文では、更新世後期以降の610種の鳥類絶滅が、約30億年にわたる鳥類独自の進化史の証である系統的多様性に影響を与え、世界的な鳥類の機能的多様性の不均衡な損失を引き起こしてきたことを明らかにしました。島嶼の固有種については、その損失の割合はさらに大きくなっています。今後2世紀にわたって1000種以上の絶滅が予測されていることから、鳥類の機能的多様性および系統的多様性はさらに大幅に減少するでしょう。これらの結果は、人間の活動がすでに世界中の生態系機能と、その背景にある進化の歴史を、いかに損なってきたかを理解する上で役立ちます。

この論文の末尾では、世界中の鳥類が提供する生態系サービスを定量する必要性が急務であることを強調しております。

当社は、この論文の内容を受け、より一層、「生物多様性データ」の充実に取り組み、生物多様性がもたらす環境価値の定量を加速していきます。