20260210_大阪開催!ネイチャーポジティブ経営シンポジウム〜生物多様性・自然資本への事業投資を科学的アプローチで実装する〜
—シンポジウムタイトル—
ネイチャーポジティブ経営シンポジウム〜生物多様性・自然資本への事業投資を科学的アプローチで実装する〜
—本シンポジウムの目的と趣旨—
世界中の企業にとって「ネイチャーポジティブ」への移行は、もはや社会貢献の領域にとどまらず、事業上の競争優位や事業レジリエンスを左右する重要な経営テーマとなっています。生物多様性が基をなす自然資本は、ビジネス上不可欠なアセットです。したがって、各企業は、自社事業の自然への依存と影響を定量的に把握し、自社にとってマテリアルな自然資本に対する投資やリターンを、財務的観点で考えることが不可欠です。ここで、科学的アプローチに基づいた生物多様性戦略、自然資本の回復と持続化に配慮したネイチャーポジティブなビジネスの実装が求められます。
こうした潮流の中、私たちシンク・ネイチャーは、「ネイチャーポジティブ経営シンポジウム:生物多様性・自然資本への事業投資を科学的アプローチで実装する」を大阪にて開催いたします。
とくに、大阪・関西エリアの産業を支える製造業は、鉱物資源や木材、化石燃料などの多くの天然資源に依存し、複雑なサプライチェーンを持つことから、自社に関連したリスク・機会の把握はこれまで困難でした。しかし、近年の科学的アプローチの進展により、データに基づく自然資本への依存・影響の可視化を元にした、定量的な評価が実現されるようになりました。
本シンポジウムでは、国際的な生物多様性関連のフレームワークの動向、企業が実務で直面する課題、そして科学的根拠に基づく解決策に焦点を当て、企業にとって“実効性と実現可能性を兼ね備えたネイチャーフレンドリービジネス”とは何かを明らかにします。
特に、本シンポジウムでは、機関投資家・金融機関によるネイチャー・ファイナンスと個社事業の自然配慮アクションを科学的知見によって連動させることを狙って、以下の観点に焦点を当てます。
1. 科学的アプローチによる生物多様性リスク・機会の把握
TNFDや各種国際基準に沿いながら、自然関連リスクの定量評価や、事業価値向上につながる自然ポジティブ戦略の最新知見を共有します。
2. 企業事例と実務に直結するノウハウの提供
先進的な取り組みの実例を通じ、実行可能なアプローチと、長期的な投資としての自然資本経営の姿を具体化します。
3. ステークホルダーとの共創が生み出す新たな価値
ビジネス×科学の協働によって創出される新たな機会やパートナーシップの可能性を議論します。
私たちは今、気候変動と生物多様性の課題解決を、新たなビジネスチャンスと市場の創出につなげる転換点にいます。気候を含む自然に適応した事業成長と新たな経営の方向性を、参加者の皆様と議論したいと思います。
—シンポジウム情報—
日時:2026年2月10日(火)13時-17時(12時30分受付開始)
場所:大阪市北区大深町3−1 グランフロント大阪 北館 タワーB 10階 RoomB05+06+07
https://www.kc-space.jp/
参加費:無料
定員:150名
※コンサルティング関係の方は参加をご遠慮お願いしております
※先着順にて定員になり次第締め切らせていただきます
※2026/2/6(金)18:00で登録を締め切らせていただきます
※当日は入場確認のためにお名刺を2枚ご持参お願いします
—プログラム—
12:30- 受付開始
13:00-13:10 趣旨説明
13:10-13:40 金井 司(三井住友信託銀行) ※5-10分は質疑応答
ネイチャー・ポジティブへ向けたファイナンスの課題と有望性
13:40-14:00 久保田 康裕(株式会社シンク・ネイチャー)※5-10分は質疑応答
ビジネスの自然資本に対する依存・影響を見える化して、気候自然対応を財務に結びつける:機関投資家・金融機関、事業会社それぞれができること
14:00-14:30 寺門 雅代(ニッセイアセットマネジメント株式会社)※5-10分は質疑応答
機関投資家ポートフォリオの自然関連リスクの定量評価
14:40-15:00 八木 隆史(積水ハウス株式会社)※5-10分は質疑応答
「5本の樹」計画 ネイチャーポジティブ事業を起点とした情報開示
15:00-15:30 大前 慶祐(阪急阪神ホールディングス)、中野 草太(阪急阪神不動産株式会社)※5-10分は質疑応答
阪急阪神ホールディングスグループ生物多様性分野の中長期方針実現に向けた科学的アプローチとうめきた公園での取組について
15:30-16:00 五十里 翔吾(株式会社シンク・ネイチャー)※5-10分は質疑応答
ネイチャーへの依存と影響をスコープ1・2・3で高解像度可視化:TNFD・TCFD統合やSBTi FLAG対応の実践とその先
16:00-16:30 総合討論
16:30-17:00 名刺交換と懇談
—登壇者プロフィール—

三井住友信託銀行 フェロー役員
金井 司
1983年大阪大学法学部卒。2018年より現職。同社のサステナビリティ経営の基盤整備、SRI(ESG)ファンドの開発、ポジティブ・インパクト・ファイナンスの開発、テクノロジー・ベースド・ファイナンスチームの組成等を手掛ける。一般社団法人エコシステム社会機構理事、21世紀金融行動原則及びインパクト志向金融宣言の初代運営委員長。環境省「ネイチャーポジティブ経済研究会」、「地域トランジションモデル構築研究会」委員、金融庁「インパクトコンソーシアム地域・実践分科会」ディスカッションメンバー、佐渡市総合戦略アドバイザーほか

ニッセイアセットマネジメント株式会社
サステナブル投資推進部 兼 株式運用部投資調査室 チーフアナリスト
寺門 雅代
サステナブル投資推進部にて、当社のサステナブル投資の方針設定や投資フロントでの実践推進業務を率いる。自然資本や人的資本を含む幅広い持続可能性投資テーマにおける調査活動を統括。また、サステナビリティ経営を通じた企業価値向上に向けた投資先企業とのエンゲージメントの実行にも従事。環境省ESGファイナンス・アワード(環境サステナブル企業部門)選考委員、ILO(国際労働機関)「機関投資家のためのビジネスと人権ガイダンス」の作業部会メンバー。
早稲田大学法学士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス(LSE)ソーシャルビジネス・アントレプレナーシップ修士号を取得。

積水ハウス株式会社
ESG経営推進本部 環境推進部 環境マネジメント室
八木 隆史
1996年積水ハウス株式会社入社。事業所にて建物設計、エクステリア設計を担当し、2016年より現職。日本の豊かな自然を育んできた「里山」を手本とし、“3本は鳥のために、2本は蝶のために”という思いを込め、地域の在来樹種を中心とする生態系に配慮した造園緑化事業「5本の樹」計画や、持続可能な木材調達「フェアウッド調達」など、当社の生物多様性保全に関する事業の推進のほか、CDP、TNFDなど生物多様性に関する情報開示にも携わる。
一級造園施工管理技士、樹木医、大阪府環境審議会 生物多様性地域戦略 部会委員

阪急阪神ホールディングス グループ経営企画室 サステナビリティ推進部 課長
大前 慶祐
大学院工学研究科修士課程修了後、電気機器メーカーにて要素技術開発に従事。開発職から企画職に異動し、脱炭素戦略のプロジェクト立ち上げにかかわる。ESGの社会的な潮流を事業戦略に組み込み、CFPの見える化などを推進。阪急阪神ホールディングスに転職後、環境担当として環境データ集計や環境戦略業務に従事。2025年に発表した長期経営構想における環境分野の取組方針策定において生物多様性に関する方針から指標の設定を担当し、現在はその方針実現に向けた全社施策の具体化に取り組んでいる。

阪急阪神不動産株式会社 開発事業本部 都市マネジメント事業部 梅田ビジョン推進グループ 課長補佐
中野 草太
大阪市立大学(現・大阪公立大学)経済学部卒業後、阪神電気鉄道に入社。2018年に阪急阪神ホールディングスに転籍し、阪急阪神不動産へ出向。不動産事業に一貫して従事し、阪急阪神沿線の商業施設開発・リニューアルを担当した後、2020年より梅田エリアの長期ビジョン策定およびグラングリーン大阪の開発に携わる。現在はグラングリーン大阪・うめきた公園の管理運営を担い、官民連携による公園価値向上施策の立案から運営、ネイチャーポジティブ施策の推進、都市部における公園の環境価値・社会価値の定量化等に取り組む。公園管理運営士。

株式会社シンク・ネイチャー 代表取締役CEO
久保田 康裕
北海道大卒業、帯広畜産大学院修士課程修了、東京都立大学院博士課程修了 博士(理学)。フィールドワークとビッグデータ&AIを統合して生物多様性を見える化、サイエンス誌やネイチャー誌をはじめとした一流学術誌に、マクロ生態学や生物多様性保全に関する論文を多数発表。最先端の科学的アプローチで自然の価値を可視化する「株式会社シンク・ネイチャー」を起業し、自然資本への投資が評価され豊かな社会経済へと繋がる世界の実現に挑戦中。

株式会社シンク・ネイチャー 取締役・市場開拓推進室 室長
五十里 翔吾
大阪大学基礎工学研究科博士前期課程終了、修士(工学)。2022年より琉球大学理工学研究科博士課程所属(久保田研究室)。ロボット工学・ヒューマンコンピュータインタラクションをバックグラウンドに持ちながら、生物多様性・自然資本関連のビッグデータと情報科学の専門知を駆使してマクロ生態学・システム化保全計画に関わるビジネス開発や研究を推進。市場開拓推進室長として欧州拠点と密に連携しつつ、GHG・生物多様性インパクトを統合的に緩和するためのツールや、ネイチャークレジットの実装に力を入れる。