ネイチャー誌に論文発表:世界の島々の植物多様性を見える化
当社の生物多様性ビッグデータを用いた国際共同研究で、当社CEOの久保田(琉球大学・教授)が、「世界の島々の植物多様性を可視化した論文」をネイチャー誌に発表しました。
https://www.nature.com/articles/s41586-024-08036-1#citeas
論文概要
島は新たな種を生み出す進化の実験室と称されます。実際、島には、そこにだけ分布する固有種が数多く生育しています。したがって、「かけがえのない」生物相を有する島は、生物多様性保全の観点から、とても注目されています。
今回、ネイチャー誌に発表した論文では、世界の島嶼で生育する全て既知の維管束植物(30万4103種)のチェックリストを取りまとめて、植物の地理分布、系統的な分布、さらに、保全上のリスクを明らかにしました。
その結果、世界の陸地面積の約5%を占める島嶼に、9万4052種(30万4103種の植物の約30%)が生育していることが明らかになりました。島の植物種のうち6万3280種は島嶼の固有種であり、これは世界の植物多様性の21%にも及びます。
国際自然保護連合(IUCN)の保全カテゴリーに分類されている維管束植物は、全体の約20%が島の固有種です。これらの固有植物種のうち、約50%は絶滅の危機にあります。
日本のような島固有の植物多様性を保全するには、生育適地の保全・再生や外来種の駆除、生育域外の保全プログラム(保護増殖事業)などの対策が必要なことを、この論文の末尾で強調してます。
当社は、この論文の内容を受け、生育適地の再生や外来種の駆除、生育域外の保全プログラムなどを促進させるには、一般市民の生物多様性への理解の促進が不可欠と考え、より一層「生物多様性普及促進活動」に尽力してまいります。
以上の論文に関係する内容で、Science Advancesに昨年発表した論文もご覧いただけると嬉しいです。
https://note.com/thinknature/n/n9961a083491b